仲の悪い兄弟 仲の悪い兄弟がいました。 兄は引かずに弟は我侭を言い続けて事あるごとに喧嘩をするこの二人は両親の悩みの種でした。 ある日猟師の父親が森で生け捕った鹿があまりに見事なので二人に担いで街に売りに行くように言いました。 兄弟は渋々鹿を担いで売りに行きました。 しばらく二人は鹿を担いでいると深そうな森に沿ういうにして道が二手に別れていました、どちらの方向にも町はありますがどちらに行くか話し合いをしました。 「僕は右に行きたい」 「俺は左に行きたい」 やはりここでも意見が合いません ここでも兄は引かずに弟は我侭を言い続けてちっとも解決しそうにありません 「お二人さん、私がお悩みを解決してあげましょう」 そう言ったのは縛られている鹿でした。 「確かにここで言い争っても仕方ない、僕は兄に従うよりこの鹿に従う」 「弟よりはいい案がありそうだ、どうすればいいのだ?」 「まずこの縛っている紐を切ってください」 「分かった」 弟は鹿の前足を兄が後足の紐をナイフで切りました。 「ありがとうございます、では次に目を閉じてください、鹿達の間ではより長く閉じていた方の意見が正しいと言われているんです」 「それはいいことを聞いた、兄には負けないぞ」 「弟に負けるはずがない」 それから二人とも睨み合い目を閉じると森の方がなにやらガサッガサッと騒がしくなり、とても気になりましたがお互い負けじとずぅっと目を閉じていましたすると 「二人共!これで喧嘩する理由がなくなり解決しました!!」 兄弟が目を開けてみると売り物の鹿はいなくそこには切ったばかりの紐しか残ってませんでした。 そして兄弟は仲良く父親に怒られに元来た道に帰りました。 |