10平和なる日常


 我は最近知った人間達が付ける日記というのに嵌まっている、なんでも相手から受けた仕打ちを紙に記入し定期的に見返すことによっていつか仕返しを行う日まで気持ちを高ぶらせるというなかなか素晴らしい文化だ。
 我がルナの使い魔になってからまだ半年近くしか経っていないのにドラゴンを退治した冒険者の一生を綴った英雄録が書けるほどある厚さの白紙の本は全ページ、余すことなく真っ黒になっていて、しかも一冊では足らず同じ厚さの二冊目は既に半分まで埋まっている。
 今日はルナはイーシャ達と出掛けて夕刻まで帰らなぬらしいのでゆっくりと日記を振り返ってみるのもいいかもしれぬ





イフリート月6日水の日
 今日も我が何故かゴミ出しをしている。(最近この行動にも疑問が少なくなってしまったのは危険かも知れぬ)
 道端で会ったマリアと話していたらルナを起こすのを遅れてサイクロン(魔力中)を喰らい屋根から吹き飛ばされた。
 朝日が綺麗だった。





イフリート月12日火の日
 今日はジョンとミケとタマが襲ってきたのでソドムを放ったら避けられて後ろにいたルナの髪を少し焼いてしまった。
 ルナは凄く怒りグラビレイ(魔力特大)を放ちその日の夕食はなかった。
 我は護ろうとしただけなのに・・・





イフリート月16日金の日
 もう慣れてきたゴミ出しをしていたら突然近所の取り締まり役の人間に怒られた、どうやらルナのゴミの仕分けがいけなかったらしい
 少し怒ったのでルナを起こさなかったらウィルソ(魔力特大)で壁から隣家まで吹き飛ばされた。
 後で壁の修理までさせられた。





シバァ月2日木の日
 授業でルナが間違った答を言ってたので笑ったらライトニング(魔力小)を喰らった。
 我は悪くないはずだが・・・





シバァ月4日闇の日
 突然強制召喚された。ルナに何か危険が訪れたのかと思って目の前にいた誰かも分からない者を倒したらルナに褒められた。
 聞いたらどっちの使い魔が強いかのトトカルチョで我にはハンデとして何も知らされてない強制召喚の不意打ちからスタートだった。
 周りからの白い目が痛かった。





シバァ月5日水の日
 突然広場に来いと言われた。
 この時から嫌な予感はしていたのだが言われた通りに行ってみると「第八回ペットリーダーコンテスト!!」って書いてあった。
 無理矢理優勝させられた。
 さらに周りからの目が痛かった。





 うぅっ
 一冊目を飛ばし飛ばしで読んでいただけなのに嫌な思い出がフツフツと湧き出してきた、だがこれでルナへの想いは揺るぎない物となったな
 では早速今日の事を記入せねば
 むっ?
 昨日は記入していない筈なのに更新されてる?





ノーム月23日闇の日
 今日ソファークッションの下からこれを見つけた。
 私に復讐しようなんておもしろい事を考えてるようだ。
 明日はイーシャ達と買い物に出掛けるからその時に使い魔用の調教鞭を買いに行こう
 とても楽しみだ。




「なっ、早く隠れなければ!」

「ただいま♪」

「うわぁぁぁぁぁ!!」





ノーム月24日月の日
 ルナは逃げ出した我を強制召喚してその後、その後に・・・・もう書きたくない